最近仕事でパワーポイントを多用するようになってきました。写真や図などをどんどんコピペしてファイルは肥大化していきます。しかし、e-mailで送信できるファイルサイズは限界が... そんなあなたをお助けしようと、作ったページです(^^;) 実際に Microsoft Officeの仕様を調べた訳でなく、今まで使っていたらこんな感じだった...というノウハウ集みたいなものです。実際のOfficeの動作は違ってるのかもしれません... なお、当然の事ですが....この内容に間違いがあったりしても責任は負いませんし、使用者が不利益を被るようなことが有っても筆者は一切責任を負いません。使用者の責任において利用して下さいね! |
お品書き
デジカメで撮影した JPEG ファイルを貼り付けてスライドを作ることはよくあります。ここで写真をどうやってパワーポイントに貼り付けるかで大きくファイルサイズが違ってきます。試してみましょう。
デジカメの写真を何か適当なソフトで読み込みます。フォトショップを使っている人もいるでしょうし、Windowsにおまけで付いている、Imagingな人もいるでしょう。ここでは、Paint Shop Pro ver6 でやってみましょう。貼り付ける元ファイルは、eb1irrad.jpg 2048X1536 dot 213,719 byte のオリンパスのデジカメで撮影したファイルです。
パワーポイントに貼り付けたい写真を読み込んで、コピーしています。
パワーポイントで、先ほどクリップボードにコピーした写真を貼り付けています。
clipboard.ppt というファイル名で保存してみました。 さて、できあがったパワーポイントのファイルはどうなったでしょう? あとのお楽しみ(^^;)
次は、コピペを使わないで、パワーポイントにjpegファイルを直接貼り付けてみる方法です。具体的には次のようにします。
ここではパワーポイント2002(XP)を使用しています。 装入(I)→図(P)→(ファイルから(F) を選択しましょう。
このようなダイアログが出てきますので、貼り付けたい jpeg ファイルを選択しましょう。
できあがったファイルは、jpg.ppt という名前で保存してみました。
さてできあがったファイルを、詳細表示を使って比べてみました。
どうです? ずいぶんサイズが違うでしょう? 10倍以上違っています。つまり、写真などをパワーポイントに入れる場合、ついつい、何か写真を扱えるソフトで閲覧しながら必要なところを、コピー&貼り付けしたくなるのですが...ファイルサイズを小さくしたければ、コピペで図を貼り付けない方が良いということになります。
余談....
元の写真は24bitフルカラーですから、1個の点が24bit = 3byteの大きさです。それが、2048x1536 個集まっていますので、およそのサイズは、9Mバイトちょっとになります。クリップボードで受け渡されるデータはこの大きさの画像としてパワーポイントに張り込まれます。一応パワーポイントの内部処理も圧縮を行っているようで、今回の例のように3Mちょっとまで圧縮してくれていますが、写真などに適した圧縮はしていないようです。
試しにベタ赤一色の同じサイズの画像ファイルを貼り付けて保存したら80kbyteまで小さくなりました。写真でない図などは、普通にコピー&貼り付けでも問題ないかもしれません。
ファイルで貼り付けるほかにも小さくする方法が有りますので紹介します。
パワーポイントの図形機能でトリミングし、解像度を落とす方法です。具体的にやってみましょう。
2-1 余分な部分を非表示にしよう
余分な部分が無くて、写真全体を使う場合 2-2 へ進んで下さい。
まず図ツールバーを使いますので、表示されていなければ、適当なツールバーの上で右クリックして、図の項目にチェックが付いているか確認して下さい。
編集したい図をマウスで選択して、トリミングボタンを押します。
すると、編集対象にこのようなマーカーが出ますので、それをドラッグ&ドロップして不要部分を表示領域から除外します。(この時点では、表示されなくなるだけで、内部データとしてはきちんと見えない部分も保持されているので、また戻すことが可能です。
2-2 図の解像度を下げてファイルサイズを小さくしよう
次に、メニューの書式−図を選択します。図の上で右クリックしても同じ項目を選択できるはずです。
図のタブの中に、圧縮というボタンがあります。これを押して該当の図を圧縮します。解像度をWeb画面にすると今回例に使用しているような、高解像度の写真などはかなり小さくできます。プロジェクターでスライドショーをして、配付資料を印刷する程度なら、この解像度でも十分だと思います。ただ、大きく印刷したり、高品質な印刷を要求される場合は解像度は下げない方が良いと思います。このあたりは実際のデータを自分の目で比べて下さい。
図のトリミング部分の削除をすると、先ほど表示域から除外した部分が削除されてさらにファイルサイズを小さくできます。
この例では clipboard-s.ppt として保存したファイルは 3,510,272byteから 213,054 byte まで 1/10以下に小さくなりました。
さて、どちらの方法で小さくするのが良いでしょうか? これは一長一短ですのでそれぞれの特徴をまとめます。
JPEGファイルを挿入する方法
○元がデジカメなどのjpegデータであれば、データの展開/再圧縮に伴う劣化など全く生じない
○パワーポイントのファイルサイズは挿入するファイル分程度しか大きくならない
○写真の解像度は元のままなので、拡大印刷などしても綺麗
×図のファイルが個別に存在していないとこの方法が使えない
×多少作業に手間がかかる
パワーポイントの機能で縮小する方法
○他にソフトが要らない
○元になる jpeg ファイルなどが無くても作業できる
×解像度を Web/画面に合わせてしまうと印刷時に若干解像度が落ちるかもしれない
×ポスターなどへ拡大印刷する場合は、解像度を落としたため、印刷が荒くなるかもしれない
補足
写真などでない図(同一色がベタっと塗ってある図など)は、jpegなどで圧縮しなくても、パワーポイントが自前でかなり圧縮してくれるみたいです。
いくらファイルの装入でjoegファイルを貼り付けてもそれほど、サイズが大きくならないといっても、4百万画素クラスのデジカメデータを、そのまま挿入したら、どんどんファイルサイズは大きくなります。解像度が必要以上に高すぎる場合は、レタッチソフトなどで解像度を下げたから挿入した方がベターです
私の使い分けは...
元のjpegファイルが手元に有れば、レタッチソフトで解像度調整してからjpegファイルを挿入
既にできあがっているものだと、パワーポイントに縮小してもらう
ただし、印刷も綺麗にしたいから画像の解像度をあまり落としたくない場合は、いったん、個々の図のファイルをパワーポイントのファイルから作り直して(5章で説明)、jpegファイルの装入で図を置き換えます。
ということで、適当に使い分けるとなるのでしょうか...
すでにできあいのファイルをもらった場合など、貼り付けた図の元ファイルがないとか、2で紹介した圧縮がうまくかからない場合があります。 これは、図がWindowsの標準的なイメージデータとして貼り付けられていないためのようです。 MACなどで作成したパワーポイントファイルなどでもよくそういう状況になるようです。これは、下記の方法でなんとかなります。
該当の写真の上で右クリックすると、図の編集という項目が出ます。(既に変換されていると出ない場合もあります) これを選択すると
と出ますので、Yはい で変換を実行します。
こうすると 3で紹介した方法でうまく圧縮できると思います。
ただし、元の図を作ったソフトによっては、この変換をすると、図の塗りつぶしや線の太さなど一部崩れる場合が有りますので、写真以外の図でこの操作をもし使う場合は要注意です。
まとめてやる方法はないの?
有ります。これは文字だけで説明します。
1.該当する写真などの図を、CTRL を押しながらクリックすることで複数選択します。
2.編集 - 切り取り を行いクリップボードへ転送し一旦編集画面から削除します。
3.そのまま貼り付けないで、編集 - 形式を指定して貼り付け を実行し 図(拡張メタファイル)を選択します
4.貼り付けた複数の写真はグループ化されていますので、そのまま上に示した方法で Microsoft Office描画オブジェクトに変換します。
5.あとは 位置を調節して、1-4で紹介した方法で圧縮してできあがりです。
既に貼り付けてある写真から、JPEGファイルを作って、1-2で紹介したファイルを挿入する方法で、作り直すにはどうすれば良いでしょう?? これも、ちょっとした裏技?でなんとかなりそうです。
まず写真を選択してコピーし ペイント系ソフトに貼り付け
→解像度は下がってるし、色も変になることが.... 使いものになりませんわ
写真の上で右クリックし、図として保存を実効
→画面表示の解像度で保存されるので、貼り付けもとデータの品質からかなり劣化する
ということで、この2つの方法はどうやらあまり良くなさそうです。
そこで、WEB作成機能を使います
まず、該当の図を1-6の方法ですべて Microsoft Office描画オブジェクトに変換します。
webページとして保存を実行します。
このまま保存しても良いのですが、念のため発行(P) ボタンを押してオプションを設定します。
だいたい、こんな感じのオプションで良いと思います。ファイル名に適当な名前を入力し、発行(P)ボタンを押すと、 [ ファイル名 ].htm と [ ファイル名 ].files というフォルダーが作成されます。 該当のスライドだけ処理したい場合は、スライド番号を。 スライドショー全体の図をまとめて変換したいときは、プレゼン全体を選択すれば良いでしょう。
できあがった .files フォルダーを詳細モードで眺めてみるとこんな感じになります。どの写真が容量を占めているか等一目でわかりますね。 あとは、ペイント系のソフトで読み込んで縮小なり jpeg で保存するなり自由に編集可能です。 編集後に元のパワーポイントの図と、ファイルから装入で入れ替えてしまえばokです(まぁこれがけっこう面倒なのですが...)
気が向いたら作ります...